さて、ルパン作画第二回は、新ルパンにおける友永和秀氏の参加作品をご紹介です。ご存知のとおり友永氏と言えば、「カリオストロの城」のカーチェイスだとか、「風魔一族の陰謀」の作画監督として有名ですね。ですがここでは、友永氏がテレコムでの仕事よりも前、つまりOHプロ所属の頃の作品を取り上げていきたいと思います。比較的地味な作品が多いかな?全9作。
特徴
・ルパンたちの顔が若干異なる。目がやや大きく、細長い顔。
・銭形警部の顔や帽子のバランスがいい。銭さんに対する愛を感じます。北原ルパンより好み。
・キャラクターは総じてバランスが取れていると思う。北原ルパンの特徴に似せてないとも取れるが…。
・ふかんやあおりと言った難しいカットでも、キャラ崩れせずしっかり描けている(当然と言えば当然だが)。
・手足をピョコンと伸ばしたり、くにゃくにゃと動かしたりといったキャラのアクションが目立つ。
・ゴエモンの殺陣をしっかりと描いている(剣閃一本で済ませていない)。
・反動が描けてると思う。結果的に動きがオーバーに見えることがしばしば。キレが良い。
・キャラがアップになったときなどの、影の付け方に特徴あるかも。
・14話以外は岡本健一氏が加わっている(岡本氏もOHプロ)。
当てにならない解説(間違ってたらすいません)
第4話「ネッシーの唄が聞こえる」での友永氏の作画は、Bパートの、銭さんがルパンを襲撃するくだりだと思います。初期の作品はレイアウトに葛岡博氏が加わっているので、画面構成は割としっかりしているのですが、その中でも友永氏担当カットはとても丁寧な印象を受けるのです。8話や25話にも同じことが言えます。
第8話「ベネチア超特急」での友永氏担当カットは冒頭で次元が鏡で合図を送るくだりとか?あと、Bパートでも銭さんが列車から落ちるカットや橋の爆破カットなど、幾つかあるはず。このBパートの画面構成がなかなか巧い!この回の作画若干崩れているような…。
14話「カリブ海の大冒険」では友永氏が1人で原画を描いてます。友永率100%です(意味不明)。この作品は初期の中でも作画レベルは高いです。後半、洞穴に入るルパンたちを追う銭形警部の走り方が好きです。
20話「追いつめられたルパン」も総じてキレが良いです。爆発とかがいい感じです。実は青木悠三氏も携わっているとか。
25話「必殺鉄トカゲ見参」は、Aパートの動きにキレがあるので、友永氏はAパートでしょう。Bパートは普通の出来ですが、やはりレイアウトがいいと思います。
63話「罠には罠を!」は、OHプロ回、若干キャラ崩れが目立つ作品です。作画監督の児玉氏というより、原画に加わっている丹内氏のものかもしれません。友永氏の担当カットはタイトルコール前、ルパンが消える不二子を助けようとするシーンでしょう。
92話「マダムと泥棒四重奏」もOHプロ回です。作画自体はそこそこですが、友永氏の担当カットが目立って仕方ありません。すなわち銭形がクレーンから落ちて、五エ門が脱出するところから、ミュージカル終了までの一連のアクションでしょう(他の人のカットも混ざっているようです)。地味だけど、キャラの拍手の仕方が好き。
98話「父っつあんのいない日」も是非見てほしい作品です。新ルパンOHプロ回の中でも最高水準です。全体的に作画レベルがかなり高いです。友永氏の担当パートは、トリュフォー警視が狙撃警官を射殺するくだり。他は火葬場のくだりでしょうか。トリュフォー警視が窯を開けるカットや、五エ門が壁を切るカットは必見です。是非コマ送りで見てください。ここの殺陣は恐らく新ルパンでは最高レベルではなかろうか。あと、ヘリに追われるときのルパンと次元のダッシュも見事ですね。ここも友永氏?(自信ない)