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Re: 「クローン」ファンへ


投稿者 ピンクネコ 日時 1998 年 7 月 30 日 08:40:05:

回答先: 「クローン」ファンへ 投稿者 たかしゅう 日時 1998 年 7 月 30 日 01:53:33:

> そこで、前々から他のファンに聞いて見たかったことがあります。

> そう、クローン最大の名台詞「俺は夢ー盗まれちまったからな〜。取り返しに行かなゃ。」

> ルパンの夢とは一体?????

> 皆さんの考えるルパンの「夢」とは何か教えてもらえないでしょうか。m(_ _)m

>でゅわ。

ピンクネコ@ルパン妄想でございます。
はじめは、絵柄があまり私好みでないなどの理由から、「クローン」はそれほど好きでなかったのですが、最近になって「クローン」の良さに気がついてきました。この作品は、噛めば噛むほど味がでるってやつですかね。
「夢」とは何か? 鋭い問題提起であります。確かに、作品中では具体的に「夢」について語られてはいません。そこで私なりに「夢」のことを考えてみたいと思います。

まず、マモーとはいったい何者なのか。本当に1万年も前から存在するのか。
地震も空中浮揚も、マモーのトリックだった。ならば、1万年生きたというのも嘘かも知れない。幻覚を見せられた後、マモーが不二子をさらって空に消えるシーンも、いちいち解説はしていないが、何か仕掛けがあるだろうと観客は考えるように演出されている。
だが、クローンを開発していたこととラストの巨大な脳の出現は事実である。
このあたりに、制作者から我々に示されたヒントがありそうな気がする。
マモーとは妄想にとりつかれた男なのではないか。妄想に動かされ、ついにはクローン技術まで開発し、自分を神と思いこむ。旧ルパンの魔毛狂介も、発狂の末タイムマシンを作ってしまった男だった。そういえば、マモーのいた島は……。
マモーとは何者かという問いは、ルパンとは何者かという問いでもある。私は、この作品におけるマモーとは、ルパンの内面を象徴しているのではないかと思う。泥棒を仕事として生きるというのも、妄想のような生き方である。ありきたりな人生から解放されたいという、多くの人々のかなわぬ希望(妄想ということもできる)の体現者なのだ。
妄想は一人歩きをはじめる。自分の情念を押さえきれなくなって、ついには愛する不二子すら、自分ではなく自分から抜け出て肥大化したエゴ(巨大な脳はその象徴)のものになってしまう。
希望も愛の対象も自らの手のうちからはなれていく。これが、「俺は夢ー盗まれちまったからな」ということなのではないだろうか。
マモーを倒すとき、ルパンは、次元と五右衛門の手を借りなかった。不二子もなぜか弱々しい。自分のことは自分で片をつけなければならない。
この話は、若者が肥大化したエゴをうち破るさまを映像化したものといえる。いいかえれば、情念と理性の勝負なのだ。ルパンは理性を取り戻そうとする。だから、超越者など信じない。作品中でも、マモーの行為にもトリックがあると描かれるのだ。

と、まあ、ずいぶん勝手なことだらだらと書いてしまった。もちろん、これこそスタッフの真意であるなどとは思わない。あくまでも我流の解釈である。深く気にしないように。妄想にとりつかれちゃうから^_^


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