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Re: パート3→俺にも言わせろ!


投稿者 ねここ 日時 1998 年 9 月 12 日 11:44:30:

回答先: パート3を見て下さい! 投稿者 新ルパン 日時 1998 年 9 月 10 日 21:34:13:

パート3・・・ワタクシにとっては、当初の制作意図と
成果が折り合わなかった、やや残念な作品、と
言う印象があります。

もうご存じない方も多いかと存じますが、パート3
は当時アニメ雑誌を中心とした「時ならぬルパン
ブーム(現在のそれとはちょっちニュアンスが
違ったが)」を背景に制作された、と言う記憶が
あります。
新ルから数年をへて、ルパンシリーズ全体を検証
し直そうという機運が上がり、旧ルの再評価、殊に
宮崎ルパンの評価が最高潮にあったころの話で
すね(それにくらべると今のルパンブームは
「ルパン」を体よく消費しようという刹那的なものを
感じちゃうんだよね)。

放送が決定した当時、藤本プロデューサー(だっ
たかな?)より「目指すは辛口のドラマ、旧ル
指向、原作重視」というコメントがだされ狂喜した
ものでした。
そして新たな、そのキャラクターデザインには
かなりの「意気込み」が感じられました。
「キャラデザで損をしている」などのご意見も
ありましたが、僕はこのパート3、青木氏のキャラ
デザインは、シリーズ中3本の指に入る完成度だと思
いますよ。大塚氏の旧ル(特に初期)に見る「自分
の絵を抑えて、モンキーパンチ氏の絵から「動か
せる線」を選ぶ」という姿勢が、少なくともこの
キャラデザインには見出せるのです。つまり「原作と
格闘した最後のキャラ設定」といいますか。
(これ以降のアニメ版のデザイン、というのは
なんとなく旧ル風orマモー風と過去の模倣でしか
ないか、「ワルサーp38」の様に、デザイナー自身の
解釈が過剰すぎたり・・・)

その他、五エ門を一番年下のキャラ、という
捉え直しや、拳銃を使うルパン(旧ル14話より、
ルパン自身がワルサーを撃つシーンは控えられて
いるのダ!)という、それなりの原点回帰路線
を見ることもできます。
惜しむらくは「原作重視」で選ばれたストーリーの多く
が、原作中でも「ゲーム感覚」にやや流れた感の
ある、連載後期のもので、いわゆる「新ル」的なオチ
ャラケと大差ないものだったこと。それに創り手・演
技者にとって、余りに「新ル」が長すぎたため、その
影響からなかなか抜け出せなかったこと(この
辺りは、必殺シリーズが幾度と無く原点回帰を掲
げて不首尾に終わるのと似ている)+ナイターに
よる中断と裏番組「メモル」! という不幸な要因
が重なり、成功作となり得なかったのは、残念で
した。
また初期オープニングと、前半に作画監督として
関わった(パート3は各話作監制です)荒木慎吾
氏(ルパン8世のキャラデザ担当)の絵に違和感
があった、なんてことも挙げときましょう。

まあ、旧ルの1話にして最高作という呼び声も高
い(ルパンの全てはここにある)「ルパンは燃えて
いるか!?」、そのまるっぽ続編で、しかも舞台は
豪華客船上、というケレン味が効いていた新ル1話
「ルパン三世颯爽登場」に比べると、パート3の
「金塊はルパンを呼ぶ」の整理され過ぎた、誠実
だけどこじんまりした感じというのは、このシリー
ズ全体を暗示しているような気もしますね。
(因みに脚本は大和屋竺氏。パート3での大和屋脚本は
他に「月へハネムーンに行こう」など、旧・新ルの
作風が嘘のようなオチャラケ。でもこれが面白い
から、不思議・・・というか好きなんだけどね)

最後になりますが、このパート3、後半のオープ
ニング(シリーズ古参の青木氏によるルパン
の総括−とすら言える傑作。パイロット版を意識したと
しか思えないシーンも有) それから鈴木清順氏
が何と(演出でなくて)脚本を担当した第13話
「悪のり変奏曲(唐突に現れた日活−不条理−ア
クション直系のルパン!)」は絶対マスト必見!
ですね。


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